副業分の確定申告をしていないのがバレるとどうなるの?
払う払わないはさておき、これが気になる人もいるかと思います。
なによりも私が気になったので、調べてきました。
『確定申告をしないとあとで請求されるのか?』『どれくらいの金額までならしらばっくれても平気なのか?』といったことは分かりませんでしたが、もしもバレた場合は『追徴課税』といって払っていなかった税金+αを支払うことになります。
今回は確定申告をしらばっくれて、この追徴課税が課せられた場合を考えていきます。
最初に言っておくけど、脱税は違法だからね?
目次
追徴課税の種類
追加で徴収される税金のことを追徴課税といいますが、いくつか種類があります。
というのも、『意図的に払っていない場合』『隠している場合』『勘違いやミスの場合』等の状況によって適用される法が変わるためです。
そして追徴課税が課せらる場合、個人であれば以下の3つのどれかが対象となります。
- 過少申告加算税
- 無申告加算税
- 重加算税
過少申告加算税
本来の額よりも申告が少なかった場合等に加算されます。
本来の税金とは別に、税金の50万円以下の部分には10%、50万円以上の部分には15%の税が加算されます。
ただ単純なミスもありえるため、税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかからないようです。
無申告加算税
期間内に確定申告をしなかった場合、加算されます。
本来の税金とは別に、納める税金の50万円以下の部分には15%、50万円以上の部分には20%の税が加算されます。
ただ、税務調査が入る前に自主的に申告した場合、税率は5%となります。
期限を過ぎていても免除される場合もあります。
(注) 期限後申告であっても、次の要件を全て満たす場合には無申告加算税は課されません。
1 その期限後申告が、法定申告期限から1月以内に自主的に行われていること。
2 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。
なお、一定の場合とは、次の(1)及び(2)のいずれにも該当する場合をいいます。
(1) その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。
(2) その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。
簡単にいうと、確定申告の締め切り日から1ヶ月以内に自主的に確定申告した場合と、今まできちんと払っていた実績がある場合でしょうか。
重加算税
隠蔽や隠匿、悪質な不正と判断された場合はこれが適用されます。
ニュースでたまに見かける『行ってもいない場所に行ったことにして、経費を使っていることにしていた』というのは、これにあてはまりそうですね。
過少申告加算税の状況(隠蔽したり)で重加算税が加算される場合は35%の加算、無申告加算税の状況(申告無し)で重加算税が加算される場合は40%の加算となります。
さらに延滞税がかかる
先程のいずれかの税の加算に加え、さらに延滞税がかかります。
延滞税に関しては、納付期限の翌日から完納する日まで発生します。
期限が決まっていて、重加算税が加算されない限りは最大1年間の加算です。
加算されるのは原則として納付期限から2ヶ月は7.3%の税率で、それ以降は14.6%となりまが、特例基準割というのがあって実際は年度毎に微妙に違います。
[平成26年1月1日以降]
1 納期限までの期間及び納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年「7.3%」と「特例基準割合(※)+1%」のいずれか低い割合を適用することとなり、下表 1の割合が適用されます。
2 納期限の翌日から2月を経過する日の翌日以後については、年「14.6%」と「特例基準割合(※)+7.3%」のいずれか低い割合を適用することとなり、下表 2の割合が適用されます。
※ 特例基準割合とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合をいいます。
期間 割合 平成26年1月1日から平成26年12月31日 2.9% 9.2% 平成27年1月1日から平成27年12月31日 2.8% 9.1% 平成28年1月1日から平成28年12月31日 2.8% 9.1% 平成29年1月1日から平成29年12月31日 2.7% 9.0% 平成30年1月1日から平成30年12月31日 2.6% 8.9%
参考:国税庁/延滞税の割合
計算するのは少し大変ですが、国税庁のホームページにシミュレーションがついているので簡単に出せます。→国税庁/延滞税の計算方法
もしも副業で30万円の所得があるのに確定申告をしなかったら?
ここでシミュレーションをしてみます。
無吉さん(仮名)には副業での収入が30万円程あるとして、もしもこれを確定申告していなくて追徴課税を課せられたときに払う税金を計算してみます。
本来の支払うべき所得税は3.1万円とします。
この3.1万円を支払わなかったばっかりに、いったいいくらの追徴課税が課せられるのでしょうか…
こんにちは、税務署から来ました
税務署!?僕に何か御用ですか!?
一昨年の確定申告の件でお話をさせてください
Δεν μπορώ να μιλήσω Ιαπωνικά!(日本語話せない!)
Εντάξει στα ελληνικά(ギリシャ語でOK)
計算
※確定申告のことを知らなかったということで、『無申告課税』が加算されたと仮定します。
※計算の際、1万円未満は切り捨てとなります。
※延滞税率は、平成29年度の特例割合を使用します。
- 無申告加算税は納めるべき税金の50万円以下は15%が加算されるので、
30.000×15%=4.500
- 延滞税は2ヶ月まで2.7%、それ以降は1年間まで9.0%となるので、
(30.000×0.027×62÷365)+(30.000×0.09×303÷365)=2.378 100円未満を切り捨てて2.300円
合計6.800円
この6.800円が追加で払う税金です。
今回のケースでいうともともとの税金を払っていないので、31.000円+6.800円の37.800円を支払う形になります。
税金がもっと多かった場合
税金が10万円だった場合
- 無申告加算税 100.000×0.15=15.000
- 延滞税 (100.000×0.027×62÷365)+(100.000×0.09×303÷365)=7.930 100円未満を切り捨てて7900円
合計22.900円
税金が90万円だった場合
- 無申告加算税 500.000×0.15=75.000
- 無申告加算税 400.000×0.2=80.000(50万円以上の部分には20%の加算のため)
- 延滞税 (900.000×0.027×62÷365)+(900.000×0.09×303÷365)=71.369 100円未満を切り捨てて71.300円
合計226.300円
これも先程と同じで、元の税金にこの金額を上乗せして払う形になります。
さいごに
ひょっとしたら意外に少ないと思った方もいるかもしれませんが、今回は無申告加算税で計算しているのでまだうえがあります。
一番税率の高い、重加算税が適用された場合にはもっと大きな金額になってしまいます。
重加算税が加算されるかもというレベルになると、怯えながら暮らすことになってしまうかもしれません…
そもそも金額に関わらず税金を支払うのは義務だけどね!
実際のところどれくらいのレベルでバレるものなのかはわかりませんが、無意味なリスクをおわないためにも確定申告はした方がいいと思います。
最近では仮想通貨で儲けている人も多いので、税務署の調査が厳しくなるかもしれませんしね。
あとで追徴課税と税金を請求されても支払える気がしないので…
そんな確定申告ですが、1/1〜12/31の分を翌年の2/16〜3/15までの間にお住まいの地域の税務署で手続きをする必要があります。
それではみなさま、よい税金ライフを!!