ふるさと納税で東京23区から税金が242億円流出したんだって。

テレビで『噂の東京マガジン』を見ていたら、「ふるさと納税で23区から242億円が流出」という内容の放送でした。

今までふるさと納税は漠然と『なんてお得な制度なんだ!!』としか思っておりませんでしたが、なかなか興味深い内容だったので、どういうことなのか簡単にご紹介していきたいと思います。

参考:テレビ東京噂の東京マガジン

ふるさと納税で税収減

任意の地方自治体に税金を納めることで、各地域から「返礼品」という形で食材や物をもらえて、さらには所得税や住民税から控除されることで大人気の『ふるさと納税』ですが、多くの人が地方自治体に税金を納めたことで、東京23区からは242億円ほどの税金が他自治体に流出しているようです。

杉並区、世田谷区、中野区の区長と、三鷹市長がインタビューに答えていました。

杉並区

杉並区からは14億円の流出。

杉並区長は以前からふるさと納税による税収減に問題提訴をしていたようです。

冒頭のチラシも杉並区が発行しているものです。

区長曰く、ふるさと納税とは『官製通販』つまり、『お上が行っている通信販売』と例えていました。

世田谷区

世田谷区からは31億円の流出。

日本では横浜市、名古屋市に次ぐ税収減ですが、地方交付税の関係で実質の税収減としてはトップになります。

というのも、東京23区と三鷹市などは地方交付の不交団体のためです。

ふるさと納税による税収減は地方交付税によって75%は穴埋めされますが、不交団体は受け取れません。

横浜市や名古屋市はふるさと納税での税収減のうち75%は補てんされるので、世田谷区がトップになるようです。

中野区

中野区の税収減は『?』※すんません、皿洗ってて顔に水がはねて見逃しました。

中野区は交流のある地域から食材等を取り寄せて返礼品をだしているようです。

それに対して杉並区長はこのまま返礼品競争になっていくのはちょっと違うんじゃないか?と言っていました。

 

クラウドファンディングで寄付を募る

税収が3.5億円減少した三鷹市では、ふるさと納税として山本有三記念館の修繕費の寄付をクラウドファンディングで募集しているそうです。

寄付をしてくれた人にはお礼に市長からの直筆の感謝状や手紙を送っているみたいで、『喜んで頂いている』と答えていました。

 

実は他の自治体でもふるさと納税としてクラウドファンディングで寄付を募集しているところも増えていいて、税金の使い方を明確にすることにより、効果を上げることを期待しているようです。

例えば世田谷区はアメリカ選手団のオリンピックのキャンプ地の改築費用としてふるさと納税を募集しています。

 

特産物などの『返礼品』はありませんが、個人的には例えば自分の趣味に関係していたり尊敬している作家の記念館の改修等であれば、いつかは寄付することもあるかもしれません。

このまま地方自治体に税金が流出すると

杉並区のチラシの裏面

  • 区の行政サービスが低下する可能性があります
  • 住民税が上がるかもしれません

住んでいる地域の税収が少なくなると、区や市が行っている行政サービスが低下する可能性があります。

区や市のホームページ等にいくと見れますが、各種手当からゴミの回収まで幅広くを区や市でやっていますので、これらのサービスが低下するのは困りますね。

さらには住民税が上がる可能性もあるみたいです。

他の自治体にお金を流せば流すほど、自分の住んでいる地域のサービス低下という形で返ってくるかもしれないといったところでしょうか。

 

さいごに

だからといってふるさと納税はやめられないですよね。

お肉食べたいですし、何より周りのみんながやっているのに自分だけやらないとちょっと損した気分になってしまうのも、普通のことだと思います(私だけ?)。やっぱりお肉食べたいですし。

 

さらに今回は『東京マガジン』だけに東京目線でしたからね。

他の自治体からみたら真逆で、ありがたい制度かもしれません。

 

ただ、ひょっとしたらこんなことにもなるかもしれない、裏ではこの問題について悩んでどうにかしようとしている人もいる。ということだけは頭の片隅に置いておかなければと思わせられる内容でした。

※噂の東京マガジンでは242億円でしたが、これを書きながら少し調べていたら、日経新聞では2017年度は466億円となっていました